海外こそエンジニアの宝庫 インド編

海外こそエンジニアの宝庫 インド編

シリーズ:
海外こそエンジニアの宝庫


労働人口の減少は、ITエンジニア人材においても例外ではありません。 昨今では、海外エンジニア人材の採用により、ITエンジニア不足に対する活路を見出す企業も増えてきました。 今後の日本のIT産業の発展に欠かせない「海外エンジニア人材」の現状を、複数回にわたり詳しくレポートしていきます。


第1回 中国編
第2回 インド編
第3回 韓国編
第4回 台湾編
第5回 新興国編

"地球最後の大国"であると同時に
"IT超大国"でもあるインド

日本の約9倍の国土面積を持ち、中国に次いで世界第2位である13億の人口を抱えるインド。
2018年にはついにアメリカを抜いて世界で最もIT人材を抱える「IT超大国」に昇りつめました。

インドには現在450万のIT人材がいると予想されており、さらに年間5%のペースで成長しています。
この成長の背景には、堪能な英語と低賃金でアメリカIT企業群のオフショア拠点としての役割を一手に担ってきた経緯があります。

欧米企業の流入によりインド国内で複数のIT都市が同時成長中

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ムンバイやデリーなど、世界都市人口ランキング常連の大型都市を抱えることでも有名なインドですが、近年国内各地でIT都市が成長していることにも注目です。

オーストラリアの通信会社テレストラとイギリスの経済誌「エコノミスト」の調査部門であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が2017年に実施した調査結果によると、インドのシリコンバレーと称されるバンガロールが、本家シリコンバレーを擁する米国サンフランシスコを抑え、世界デジタル都市ランキングの第1位になりました。
バンガロールの他にも、ムンバイ(第3位)、ニューデリー(第4位)がTOP10にランクインしています。

▼デジタル都市ランキングTOP10

順位国名都市名
1 インド バンガロール
2 米国 サンフランシスコ
3 インド ムンバイ
4 インド ニューデリー
5 中国 北京
6 フィリピン マニラ
7 中国 上海
8 インドネシア ジャカルタ
9 英国 ロンドン
10 スペイン マドリード

引用:Telstra:Business confidence in the digital environment/

インド各都市の特徴

ニューデリー

インド北部に位置する言わずと知れたインドの首都。
インド発のレストラン検索アプリ「ZOMATO」の創業地でもある。

ムンバイ

1800万人超を抱えるインドの最大都市。
かつては東インド会社の拠点として海運の街として発展、その後は国際的な金融都市に。
ボリウッドやタージマハルホテルなど文化的要素も多分に含むインドを代表する国際都市。

プネー

「東のオックスフォード」と呼ばれる学術都市。
インドの優れたIT研究開発機関「C-DAC (Center for Development of Advanced Computing)」の本拠地であることもあり、ソフトウェア技術者が多いことが特徴。

バンガロール(ベンガロール)

南部に位置し「インドのシリコンバレー」と称される。
標高900m程度で1年を通して気温20度台を保ち過ごしやすいことも一因なのか、GoogleやMicrosoftなどグローバルカンパニーが挙って開発拠点を設けている。

ハイデラバード

バンガロールに次ぐハイテク都市としての注目株。
18~19世紀はダイヤモンド産出地として栄えたが、近年郊外に経済特区ハイテク・シティーを建設し国内外からIT企業を積極的に誘致した結果、インフォシス・テクノロジーやサッティアムのようなインドの大手企業に加え、Google、Facebookなどの外資系メジャーIT企業も拠点を開設している。

グローバル企業が各都市に拠点を構えると、自ずと現地での人材獲得さらには人材育成が根付きます。
グローバル企業を舞台に技術力をつけた人材が独立し起業するケースも出てきており、今インドではスタートアップ並びにスタートアップへの投資がムーブメントになっています。

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欧米企業のニーズに応える技術力が
”大量にある”インドのIT人材マーケット

インドの公用語はヒンディー語ですが、インド憲法で公認されている言語がさらに21あります。
英語教育については州や私立/公立によってばらつきがありますが、早いところだと初等教育(日本の小学校に近い)、遅くとも後期中等教育(日本の高等学校に近い)には実施されているようです。
多民族国家を背景にした堪能な英語力と低賃金を武器に、インドのIT人材マーケットは欧米IT企業からのオフショアニーズを満たして成長してきた歴史があります。
この流れから、インドのIT人材は、Java、特にJ2EEを得意とするアプリケーションエンジニアが多いことが特徴と言えます。

また、近年のデータアナリティクス、データマイニングの需要の高まりにより、Amazon、IBM、Microsoftに代表される外資系テック企業だけではなく、ITコンサルティング系企業であるCognizantやDXC Technologyも、データチームの拠点をインド国内に増設しています。

さらに、アメリカのウォルマートやイギリスのTescoなど小売業界プレーヤーもバンガロールに拠点を設け、優秀なデータサイエンティストを育てながらデジタルマーケティングをしています。
グローバル企業からの多様なニーズに、質でも数でも対応できる。それがインドのIT人材マーケットの強さと言えるのではないでしょうか。

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インド国内のエンジニア待遇は上昇中
採用ではスクリーニングがキモ

インド国内でのエンジニアの給料については、平均年収が日本円相当で150万円程度です。
ただし高い技術力を求められるポジション、例えば5年経験を持つデータサイエンティストの場合だと、年収は日本円相当で400-500万円程度に上昇してきています。
インドのジュニア世代のリクルーティングも競争が激しくなっており、欧米企業のみならず、大手日本企業でも情報通信、インターネットサービス、電機メーカーなど幅広い分野でインドの新卒人材を採用するケースが出ています。

エンジニアへの就職はインドで根強い人気があり、今後もIT人材が増加することは間違いありません。
しかし、前述のように外資系企業での開発経験をもつエンジニアとそれ以外では経験と能力に格差があるのが現状です。

エンジニア採用の際には、自社でのスキルの確認が欠かせません。
また、日本企業のインド進出は増加傾向にあるもののIT系企業の進出は数多くないため、日本語を習得しているエンジニア人材をインド現地で採用するのは至難の業と言えそうです。
例えば、「社内エンジニア間のコミュニケーションを英語で行う」ことや、「プロジェクトリーダーは日本語を話す人材を配置しブリッジの役割を果たしてもらう」など、企業側も体制作りが求められます。

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