リファラル採用が注目される理由は?導入のメリット・デメリットを解説

リファラル採用が注目される理由は?導入のメリット・デメリットを解説

時間とコストをかけて獲得した人材が、自社のニーズに合わない、すぐに離職してしまう、などの事態は何としても避けなければなりません。

ミスマッチや早期離職を回避するために、さまざまな採用手法が検討されていますが、なかでも注目度が高いのが「リファラル採用」です。社員など、自社をよく知る人物を介して採用に至る手法ですが、実施する際には理解しておくべきポイントがあります。

ここでは、リファラル採用の基礎知識とメリット・デメリット、円滑に進めていくためのポイントを解説します。

リファラル採用とは?

まずは、リファラル採用の基礎知識と、混同されがちな他の採用手法との違いについて解説します。

リファラル(referral)は「推薦・紹介する」を意味する言葉です。リファラル採用はダイレクトリクルーティングのひとつであり、社員の友人や知人など、社内の人間のコネクションを活用する方法です。

「関係者からの紹介」という点では縁故採用と似ていますが、リファラル採用の場合は「本人の実力」によって採用の可否が決まります。縁故採用のように、採用することを前提にして面接などを実施している訳ではありません。

リファラル採用は、声をかけた候補者が企業選考を通過しない限り採用には至らない、という厳正な採用手法です。そのため、企業の正式な採用方式としての位置づけになります。

ダイレクトリクルーティングについては「求職者に企業側からアプローチするダイレクトリクルーティングとは」をご覧ください。

リファラル採用が広がっている背景

現在、大手企業でもリファラル採用を積極的に活用する傾向が増えてきています。なぜリファラル採用が注目されているのか、採用市場の動向を含めて解説します。

リファラル採用が広がりを見せている大きな背景として、人手不足による人材獲得競争の激化が挙げられます。求人を出せば人材が集まり、企業が自由に人材を選考できた時代とは異なり、従来の採用手法では「ニーズに適した人材」の確保が困難な状況になっています。

企業側が本気で優秀な人材を獲得しようとすれば、それなりの時間・手間・費用が必要となり、採用にかかる負担は限りなく増大していきます。

近年は売り手市場が続いており、「ターゲットとする層からの応募が順調に集まらない」というのが実情です。企業が人材獲得に焦るあまり、ミスマッチが起こりやすくなり、結果的に早期離職者が増える(離職率が上昇してしまう)というケースも少なくありません。

このような状況のなか、リファラル採用を導入した企業の約8割がその効果を実感しており、採用成果の高い手法として認識されてきています。

リファラル採用のメリット、デメリット

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リファラル採用のメリット

信頼度の高い人材を採用しやすい

リファラル採用の大きなメリットは、紹介者が「適性を感じている人材」を推挙するため、採用の精度が向上するという点です。
品行不良の人材が紹介されるリスクは低く、候補者・企業の双方が事前に互いの情報を十分に得られるため、ミスマッチを回避しやすく、結果的に離職率の低下にもつながります。

潜在する候補者にアプローチできる

広く募集を行う一般的な求人の場合は、「求職者」にしかアプローチができません。
一方、リファラル採用の場合は、表立って求職・転職活動をしていない人材の掘り起こしも可能です。親しい知人から話を持ちかけられることにより、転職への意欲が刺激されるケースも考えられます。以前から興味を抱いていた分野であれば、アプローチをきっかけに転職を検討するようになるかもしれません。

採用コストの軽減

自社の社員を介した採用活動は、求人広告費や紹介手数料を抑制できます。
紹介者への謝礼報酬を含めても、一般的な採用手法と比べて金銭的コストを抑えることができます。

社員のエンゲージメント強化

リファラル採用は既存の社員にも良い影響を与えます。
紹介者となる社員が候補者に就職を紹介するにあたり、「自社の良さや魅力」を再確認する機会となります。

採用活動の負担軽減

一般的な採用活動と比べて、採用までの工数が簡素化されることにより、採用担当者にかかる負担が軽減されます。

リファラル採用のデメリット

候補者の偏り・制限

対象となる候補者が社員の人間関係の範囲内に限定されるため、広く公募をする場合に比べて人材の偏りが発生しやすくなります。

人間関係への影響

社員からの紹介であっても、候補者が選考を通過できなければ不採用となります。この場合、候補者と紹介した社員との関係が気まずくなる恐れがあり、その後の私的な人間関係にも影響を与える可能性があります。

大量採用が難しい

社員の人脈に頼るため、公募のように「一度に大量の採用」は困難です。また、急いで募集をかけたいポジションの場合も、求人媒体などを利用する手法と比べて期日までに紹介がある可能性が低い傾向にあります。

社員の負担増

リファラル採用では、採用活動の一部を人事部以外の社員に任せることになります。知っている間柄ゆえに、候補者から社員本人へ質問が多く寄せられることが予想されるため、担当業務外の負担が増える可能性があります。

リファラル採用にかかる費用

リファラル採用を活用すると、「採用活動にかかる費用」を抑えることができます。

リファラル採用の場合、広告費や外部事業者への仲介手数料は発生しません。発生する費用のうち最も大きいものとしては、紹介者への報酬が挙げられます。リファラル採用を実施している企業の約7割が紹介者への報酬を支払っているようです。

そのほかにかかる費用として、リファラル採用の過程における会食などの交際費用が挙げられます。こちらは必要経費として、実費支給を行う企業が多いようです。

費用以外の面では、人材を紹介する社員の「時間的コストの負担」が考えられます。
その一方で、採用担当者の時間的コストは軽減するため、企業全体としては相殺されるという見方もできます。

リファラル採用を実施する際のポイント

リファラル採用を本格的に導入するにあたり、社内全体に対してリファラル採用に関する教育を行う必要があります。冒頭でも説明したように、「縁故採用との違い」や「正式な採用手法であること」について理解を深めてもらいます。

採用ニーズを社内に周知させることも必要です。
公正なインセンティブ設計を実施し、報酬制度を明確化します。紹介者である社員への報酬は、業務上発生する手当などの名目で就業規則に盛り込みます。

このとき、リファラル採用の報酬をあまりに高額に設定しすぎると、無許可の人材紹介業と判断されるリスクがあります。また、採用コストが増大し、採用施策として継続できなくなる可能性もあります。

そのほか、不採用だった場合のフォロー、採用後の配置などについて、あらかじめケース別の想定を行い、事後の人間関係に配慮することも忘れないようにします。

さらには、リファラル採用に関わる社員の負担を軽減するために、採用ニーズの周知を行う、業務上の時間調整の相談を受ける、といった施策を検討することも必要です。
人材獲得をリファラル採用だけに頼らず、他の採用手法と併用して社員へのプレッシャーを軽減するなど、採用活動に協力しやすい環境を整えます。

リファラル採用が有効であるケース

ピンポイントに採用したい

リファラル採用は、大量採用に向かない手法です。自社のニーズに適合する少人数の人材を、確実に採用したいというときに効果的です。

採用コストを軽減したい

広告費をかけず、外部の人材紹介事業者を頼らずに採用したいという場合に、コストを抑えた採用活動を実施できます。

より確実な人材採用を目指している

これまでの採用活動で好ましい結果が得られなかった場合に、ミスマッチの回避ならびに定着率の向上を目指して、リファラル採用を実施するという選択肢もあります。

まとめ:人材獲得の強力な一手となるリファラル採用

実際に社内で働いている人間ほど、自社のことをよく知っている者はいません。社員が「適性がある」と評した人材であれば、マッチング良好である可能性も高くなります。
また、事業や業務に関する情報を事前にしっかりと伝えられることは、リファラル採用のメリットです。

社員の生の声を踏まえたうえで候補者が選考に臨むのであれば、入社後に感じるギャップも小さくなり、採用後は長期にわたる活躍が期待されます。まったく未知の人材をゼロから探すのとは異なり、信頼できる社員からの紹介であれば、経歴詐称などのリスクも低くなります。

人柄やコミュニケーション能力など、面接だけで見抜くのが難しい点についても、これまでの交流から把握しているため、自社のニーズにマッチした人材が紹介される可能性が高まります。
さらに、採用コストを圧縮できるという利点もあります。

リファラル採用のメリットとデメリットを踏まえながら、自社の採用活動の一環として検討してみてはいかがでしょうか。

     

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