派遣社員を受け入れるときに知っておきたいポイント

派遣社員を受け入れるときに知っておきたいポイント

「企業運営を安定化させるために即戦力が欲しい」と考える企業は少なくありません。しかし、自社社員の採用活動を一から開始するのには、時間やコストもかかりますし、優秀な人材を採用するためには相応のノウハウも必要とされます。
また、未経験者採用などのポテンシャル採用を行った場合などは、実務レベルまでの育成にも時間がかかります。

そうした際の有効手段となるのが「人材派遣サービスの活用」です。採用活動にかかる工数を省き、自社のニーズに合うスキルの人材を迎えることが可能となります。
そうした意味において企業側にとっては負担の少ない人材派遣サービスですが、初めて派遣を導入する際にはどのような点に留意しておく必要があるのでしょうか? 
派遣社員を受け入れるために押さえておきたいポイントを解説していきます。

派遣社員の受け入れ準備と初日に行うこと

派遣社員にパフォーマンスを十分に発揮してもらうためには、受け入れ体制の整備も大切です。
派遣社員を受け入れる際の具体的な実施項目やポイントを確認していきます。

受け入れ当日までの準備

人材派遣サービスは、自社で求人募集や書類選考、面接、本選考といった手順を踏む必要がなく、人的・時間的な採用負担を要することなく、ニーズに合わせた人材を確保できます。
しかし、何もせずに派遣会社に任せきりにできる訳ではありません。確実な成果を得るには、派遣社員を円滑に受け入れるための準備が必要です。

業務で使う物品といった「ハード面の準備」だけでなく、社内での指揮・連絡系統、人間関係を構築できるように職場環境の整備も進めておかなければなりません。
受け入れ当日までに済ませておく、具体的な準備として以下のようなものがあります。

  • 社内への周知
    派遣社員を受け入れること、その目的を周知します。
    派遣社員が出社した際に、全社に周知が行きわたっていないと、会社の対応に不安を感じるケースも考えられます。
    派遣社員が行う業務内容と範囲、契約期間、勤務日時・シフトといった業務に関係することを伝えておきましょう。
    派遣社員が所属する部署だけでなく、関連部署にも通知します。
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  • 責任者、指揮命令系統の明確化
    指揮命令者や派遣先責任者、苦情の窓口などについては、契約書に記載しなければならない事項です。
    派遣社員が疑問や不安を抱えた際に、いつでもコンタクトを取りやすいように、契約関連・業務指示・苦情対応の窓口となる責任者を決めます。
    各担当者は事前に派遣契約に関する資料に目を通し、自身の役割を確実に把握しておきましょう。
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  • 社内関連
    自社にスムーズに馴染み、業務に就けるように、社内関連の物品を準備します。IDカード(入館証)や身分証、業務用機器・備品、マニュアル、デスク・事務用品など、一覧表を作成してチェックしておきます。
    また、業務に必要なパソコン・ネットワーク権限、前任者からの引き継ぎ書類なども忘れずに用意しましょう。

派遣社員への初日の案内

これまでの社会人経験の長短に関わらず、誰しも勤務初日は、緊張感と期待をもって業務を開始します。
職場環境の第一印象の良し悪しは、その後のパフォーマンスや定着にも影響を及ぼすこともありますので大切なポイントと言えます。

受け入れ役の担当者は、過不足なく派遣社員を案内できるよう、以下の項目に関する手順書などを事前準備しておくとよいでしょう。

  • 関係者への紹介
    派遣先責任者、指揮命令者、所属部署社員、就業部署内といった業務上の関係者に派遣社員を紹介します。
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  • 社内設備、社内フロアの案内
    立ち入り禁止区域、非常口や非常扉、非常階段の場所を確実に伝えます。
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  • 設備の使い方と使用ルール
    電話・FAX、コピー機、プリンタなどの業務設備の使用ルールを説明します。
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  • 備品の保管場所、利用ルール
    事務用品や用紙など、各種備品の保管場所や利用ルールを説明します。
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  • 社内ルールの共有
    出退社時のルール、トイレ、給湯室、ロッカールーム、休憩室、社内食堂の利用について説明します。
    社内組織の概要を説明し、自部署の位置づけを把握してもらうようにします。
    また、取引先・機密情報の取り扱いルールは特に重要なため、口頭での説明のほかに誓約書などがあれば事前に派遣会社に知らせておき、署名の必要があることを事前に伝えておきましょう。
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  • 業務に関する説明
    社内・部署内の全体の流れ、担当する業務内容とその役割を説明します。
    質問方法や質問する相手について業務ごとに確認しておくと、派遣社員が安心できます。
    早く社内に慣れるよう、座席表・組織図などを配布します。

派遣社員との関係性を築くコミュニケーション

派遣社員が存分にスキルを発揮するためには、職場でのコミュニケーション構築が重要です。一緒に働く仲間である正規社員や契約社員、その他のスタッフと円滑なコミュニケーションを構築できるようにサポートします。
人事担当者は、所属部署の上司と相談しながら、「派遣社員が安心して働ける環境」について常に配慮しておきましょう。業務習得や社内への適応状況などを適宜確認し、つまずきのないよう、相談しやすい雰囲気を醸成することを心がけます。

指揮命令の明確化は事前に済ませておきますが、実際の業務にあっても「派遣社員が戸惑うことなく指示を受けられているか」を確認します。

業務範囲と契約内容の一致は、必須事項です。契約書からの逸脱がないか、定期的に派遣社員から聞き取りを実施します。

派遣契約の期間にもよりますが、自社の求める業務を正しく遂行してもらうためにも、スキル向上や知識獲得のサポートを適宜実施していくのが有効策となります。

派遣社員を受け入れる際に理解しておくべきルール

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派遣社員を受け入れる際は、「労働者派遣法」が定めるルールへの十分な理解が求められます。

期間制限のルール

派遣社員については、事業所単位・個人単位の期間制限があります。派遣社員は、同一の組織単位で3年以上働くことができません。
例えば、人事課で3年働いた派遣社員が、会計課に異動するのであれば問題ありません。また、同部署に、3年ごとに、同じ派遣会社から異なる派遣社員が配属されるのも問題ありません。
ただし、以下の場合は期間制限のルールの対象となりません。

  • 派遣元事業主で無期雇用されている派遣社員である場合
  • 60歳以上の派遣社員である場合
  • 有期プロジェクト業務への従事
  • 日数限定業務(1カ月間に行われる日数が通常の労働者に比べ相当程度少なく、かつ、月10日以下であるもの)
  • 産前産後休業、育児休業・介護休業などを取得する社員の業務

特定行為禁止のルール

派遣先企業は派遣社員を指名することができません。また、事前の書類審査や面接も禁止されています。
ただし、紹介予定派遣についてはこの限りではありません。

派遣就業に関するルール

正社員・パート・アルバイトを問わず、直接雇用をしていたスタッフは、離職から1年以内は派遣社員として迎えることができません。
ただし、60歳以上の定年退職者は禁止対象から除外されます。
派遣社員の就業にあたっては、保険適用が適切になされているか、雇用保険法・健康保険法を遵守しているか、などの確認が必要です。
先にも挙げたように、派遣先責任者をはじめとした各担当者の選出は、派遣法に準じて行われなければなりません。
担当者に任命された社員に対しても、しっかりと役割を意識させるようにしましょう。

派遣管理台帳の作成は派遣法によって定められており、個々の派遣社員ごとに作成する必要があります。
さらに、法定記載事項をもれなく記載し、派遣契約が終了した後も3年間保管する義務があります。

 

労働契約申込みみなし制度

「労働契約申込みみなし制度」とは、派遣先企業が違法派遣と知りながら派遣労働者を受け入れている場合に、派遣先が派遣社員に対して直接雇用を申し込んだものとみなす制度です。
申込みの実体がなくても、自動的に派遣先が派遣社員に対して労働契約の申し込みを行ったことになり、派遣会社と派遣社員が契約している雇用条件と同一条件で雇用する義務が生じます。
「労働契約申込みみなし制度」に該当する派遣は以下のとおりです。

  1. 労働者派遣の禁止業務に従事させた場合
  2. 無許可の事業主から労働者派遣を受け入れた場合
  3. 事業所単位または個人単位の期間制限に違反して労働者派遣を受け入れた場合
  4. いわゆる偽装請負の場合

派遣先などが違法派遣に該当することを知らず、かつ知らなかったことに過失がない場合、この制度は適用されませんが、トラブルに巻き込まれないためにも、実績と社会的な信頼のある派遣会社と契約することが重要です。

まとめ:十分な理解と準備で最大の効果を引き出す

人材派遣サービスを活用することで、人材不足などの課題の解決やコスト適正化といったベネフィットが得られます。
期待した効果を得て、適正に利用するためにも派遣社員の受け入れ体制の準備や派遣法などのルールを理解することが大切です。
期待通りに自社の即戦力となってもらうためにも、企業側には派遣社員の受け入れについての知識を、事前に十分深めておくことが求められます。



参考:派遣社員を受け入れるときの主なポイント|厚生労働省

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