人材派遣を導入する企業側のメリット・デメリットと受け入れる際の注意点

人材派遣を導入する企業側のメリット・デメリットと受け入れる際の注意点

2020年10~12月における派遣社員の数は約141万人、雇用者全体の約2.5%を占めています。なかでも「事務職」が3割以上と最も多く、企業の多くが人材派遣を活用している様子が伺われます。経営の効率化、人材不足の解消に向け、これから人材派遣導入を検討している企業も少なくありません。人材派遣を活用するにあたり、知っておきたいメリットとデメリット、派遣社員を受け入れる際の注意点を解説していきます。

人材派遣サービスを活用するメリット・デメリット

すでに多くの企業が人材派遣サービスを利用していますが、メリット・デメリットを理解しておくと、業務効率をより向上させることができます。

メリット

✓ コスト削減

人材派遣サービスでは、業務の繁閑・業務量に応じて就業期間や就業時間を定める事ができるので、コストを変動費化することができます。また企業が求める条件に適合する労働者を人材派遣会社が選出するため、求人を告知するコストや採用過程で発生する人件費も間接的に削減できます。

✓ 工数削減

書類審査や選考、面接などといった採用に関する工数が軽減されます。また、健康保険や雇用保険といった社会保険、給与計算などの労務系の処理は派遣会社で行われるため、派遣先企業では労務管理の工数も削減できます。

✓ 社員の業務最適化

事業活動をサポートするために必要な定型業務を派遣社員に任せることで、自社社員には高度な判断や創造力が求められるコア業務に専念できるような再配置が可能になります。ノンコア業務に割く時間を減らし、自社社員の慢性的な残業時間の削減に役立ちます。

✓ 業務効率の向上

Web制作、ITツールの操作、DTP、CADオペレーターなど、専門スキルに特化した派遣社員を、必要な時期に即戦力として、必要な期間だけ迎えることができます。社内で経験者がいない業務を取り入れる際には、その業務経験者を派遣社員として受け入れることで、効率的に業務を導入する事ができます。

デメリット

✓ 自社に業務のノウハウが残らない

派遣社員は一般的に有期雇用のケースが多いです。そのため派遣社員が社内の業務を熟知しても、契約終了し、社内にノウハウが蓄積されづらい場合があります。

✓ 業務が制限される

派遣契約締結時に派遣社員に依頼する業務内容を定めます。契約範囲外の業務を依頼するのは契約違反となるため注意が必要です。また、派遣社員は就業期間に定めがあるため、「長期的な重要業務」などに携わる場合は、業務終了よりも派遣契約の終了が先になる可能性があります。

✓ コスト高となる可能性がある

派遣社員の入れ替わり頻度次第では、教育・指導の手間・セキュリティの問題などで工数・コストが増えてしまう可能性があります。自社雇用の社員ではないものの、派遣社員を新たに受け入れる場合にも教育や指導の工数やコストが発生する、と認識しておくことも大切です。

✓ 帰属意識の低さ

外部スタッフのため、自社内の社員と比較して帰属意識が低い傾向にあります。コンプライアンスやセキュリティに関する意識を高めるため、派遣社員に向けた勉強会などの実施も視野に入れておくことが求められます。

   

【資料ダウンロード】はじめての派遣スタッフ受け入れガイド【初級編】
01. 人材派遣サービスの仕組み
02. 派遣スタッフを受け入れするまでに
03. 派遣契約の締結
04. 派遣先に求められる基本的な労働法知識
05. 派遣スタッフ受け入れにあたってのコツ
06. Q&A

派遣社員を受け入れる際の注意点

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派遣社員の雇用主は派遣会社ですが、実際の就業場所は派遣先企業という雇用と使用が分離した形態になっています。このため様々なルールや法規制があるので受け入れをする際には注意する点があります。

一般的な派遣社員には期間制限があります。派遣社員が終了する時に、業務を把握している人が社内に誰もいないという事態に陥らないよう、派遣社員の担当業務を日頃から把握し、適切に引継ぎがなされるよう確認をする必要があります。業務を属人的にせず、マニュアル化するなどで契約終了におけるリスクを低減できます。

社内の関係者へルールを周知することも忘れてはなりません。

継続して長期間にわたって派遣されていると忘れてしまいがちですが、受け入れる側としては、派遣社員は社外リソースだということを常に意識し、契約業務内容や業務上の制限、派遣先の配慮義務など、派遣のルールを理解して指揮命令を行い、契約内容等に不明な点があった際には派遣社員の雇用主である派遣会社に適宜連絡するようにしてください。契約している業務内容は業務上関係している社内のメンバーにも予め明確にしておくと、スムーズに職場に馴染むことができます。

一方で、自社社員が利用できる休憩室や食堂の利用を派遣社員には禁止する、業務に必要な教育訓練を実施しないなど、あからさまな待遇差を生じさせないように配慮することも忘れてはなりません。自社の社員と同様に、福利厚生の利用や学びの場を提供することは義務化されています。社員と待遇差のない環境を整える事で、派遣社員のパフォーマンス向上し、より自社にとって大きな戦力となるでしょう。

派遣社員を受け入れる際の注意点は「派遣社員を受け入れるときに知っておきたいポイント」もご覧ください。

自社社員と派遣社員の違いは?

「自社で直接雇用する社員、パート・アルバイトスタッフ」では問題にならないことでも、「自社で雇用していない派遣社員」では契約違反となる場合があります。

法律によって定められた派遣できない業務がある

派遣社員は「労働者派遣法」により禁止されている業務があります。

  • 港湾運送業務

港湾における船内荷役・はしけ運送・沿岸荷役やいかだ運送、船積貨物の鑑定・検量など

  • 建設業務

土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、もしくは解体の作業、またはこれらの準備に係る業務

  • 警備業務

事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地などにおける、または運搬中の現金等に係る盗難などや、雑踏での負傷などの、事故の発生を警戒し、防止する業務

  • 医療関連業務

医師、歯科医師、薬剤師の調剤、保健婦、助産婦、看護師・准看護師、栄養士など。ただし、紹介派遣、病院・診療所以外の施設、産休・育休・介護休などの代替要員、へき地・離島の医師についてはこの限りではありません。

  • 士業

弁護士、外国法事務弁護士、司法書士、土地家屋調査士の業務や、建築士事務所の管理建築士の業務。ただし、公認会計士、税理士、弁理士、社会保険労務士、行政書士などについては、一部、派遣可能とされています。

派遣できない業務の詳細は「派遣禁止業務とは?人材派遣を利用する企業が知っておくべきこと」をご覧ください。

契約によって業務範囲が制限される

直接雇用の社員であれば、急に忙しくなった隣の部署の業務を手伝うというケースもありますが、派遣社員の場合、労働者派遣契約で定めた範囲外の業務を依頼することは、労働者派遣法で禁じられています。ビジネスの状況変化などがあり、契約範囲外の業務を派遣社員に依頼したい場合は、まずは派遣会社に相談しましょう。

パート・アルバイトについては、これまで「パートタイム労働法」によって定められていましたが、2020年4月1日から、より労働者の権利を保護するための「パートタイム・有期雇用労働法」が適用されています。「パートタイム・有期雇用労働法」は、正社員との待遇格差の是正を焦点としています。派遣社員のように業務に関する制限は特に設けられていません。

雇用形態による違いは「雇用形態の種類と違いについて解説!自社に合った雇用とは?」もご覧ください。

まとめ:即戦力を確保できる人材派遣サービス

外部人材を受け入れる人材派遣サービスにはメリット・デメリットがあります。しかし人材派遣サービスの活用法を理解することで、自社が求める人材を、自社の状況に応じて効率的に確保することができます。効率的な組織運営、人材不足解消などに効果がある人材派遣サービスの活用をしてみてはいかがでしょうか。

 参考:一般社団法人 日本人材派遣協会

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01.派遣先の講ずべき措置とは
02.派遣契約遵守と適正な就業環境確保
03.派遣期間の制限
04.直接雇用労働者の募集情報提供
05.派遣先責任者とは
06.離職者の受け入れ禁止について
07.派遣先管理台帳とは
08.派遣社員受け入れ前の注意点

はじめての派遣スタッフ受け入れガイド<テレワーク編>

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01. テレワークとは
02. テレワークのリスク
03. 派遣社員の働き方にテレワークを導入する場合の注意点
04. まとめ・お役立ちリンク集
05. マンパワーグループの派遣サービス

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