派遣社員の管理担当者が知っておくべきポイントを詳しく解説

派遣社員の管理担当者が知っておくべきポイントを詳しく解説

人材不足や会社の方針に合わせた柔軟な人員計画を背景に、派遣サービスを利用する企業が増えています。派遣社員は「正社員ではない」という意味合いで、パート社員やアルバイト社員と同じように考えられることもありますが、雇用主が派遣元(派遣会社)であるため、ルールや管理の仕方が直接雇用している社員とは異なる部分があります。ここでは、派遣社員を受け入れる際に担当者が押さえておくべき管理項目やその項目への対応、派遣先管理台帳の詳細について解説していきます。

【資料ダウンロード】はじめての派遣スタッフ受け入れガイド【中級編】

はじめての派遣スタッフ受け入れガイド中級
01. 派遣先の講ずべき措置とは
02. 派遣契約遵守と適正な就業環境確保
03. 派遣期間の制限
04. 直接雇用労働者の募集情報提供
05. 派遣先責任者とは
06. 離職者の受け入れ禁止について
07. 派遣先管理台帳とは
08. 派遣社員受け入れ前の注意点

派遣社員管理のポイント解説

まずは、派遣社員を受け入れる際に担当者が知っておくべき管理項目とそれぞれの具体的な対応方法を解説します。

勤怠管理

出勤・欠勤状況の把握は派遣先企業の責任です。派遣社員の健康管理はもちろんのこと、派遣社員の就業時間に応じて派遣料金が変動するので、派遣社員の労働時間を適切に管理する必要があります。

対応方法


派遣社員の就業開始が決まったら、所属する部門や関連部門の関係者に「指揮命令者は誰になるのか」、「どのような業務を担当するか」などを事前に周知し、契約外の業務を指示することがないようにします。

また指揮命令者は派遣社員が円滑に業務をはじめられるように、手順を示したマニュアルの整備や就業開始後の研修、各業務の指導係の任命などについても必要に応じて準備します。業務内容の不明点や社内ルールなどで派遣社員が戸惑わないように、あらかじめ検討しておきましょう。

業務指導・指示

派遣先企業は、「業務に関する指揮命令者」を定めることは、派遣法で義務付けられております。そのため、派遣契約書には指揮命令者を記し、派遣社員が指示を仰ぐ人物を明確にします。また、派遣先責任者の任命も必要です。派遣先責任者は、派遣社員の適正な就業を確保する役割を担い、派遣元企業とのパイプ役を務めます。なお、同一の社員が指揮命令者と派遣先責任者を兼任することは可能です。

派遣先責任者の選任条件は「派遣先責任者とは?役割や留意点を解説」をご覧ください。

対応方法


派遣社員の就業開始が決まったら、所属する部門や関連部門の関係者に「指揮命令者は誰になるのか」、「どのような業務を担当するか」などを事前に周知し、契約外の業務を指示することがないようにします。

また指揮命令者は派遣社員が円滑に業務をはじめられるように、手順を示したマニュアルの整備や就業開始後の研修、各業務の指導係の任命などについても必要に応じて準備します。業務内容の不明点や社内ルールなどで派遣社員が戸惑わないように、あらかじめ検討しておきましょう。

派遣社員が就業開始する際の受け入れポイントは「派遣社員を受け入れるときに知っておきたいポイント」で詳しく解説しています。

業務に適した環境整備と均衡待遇の確保

派遣社員の就業に伴う安全管理全般及び衛生管理の具体的な事項など、労働安全衛生法上の事業者責任も派遣先にあるため、派遣社員が業務に集中できる環境を整える必要があります。また2020年改正労働者派遣法では、派遣社員の不合理な待遇差をなくすことが求められています。

対応方法


作業スペースの確保、業務に適した空調、室内の明るさなど、他の雇用形態の従業員と同様の配慮が必要です。更衣室(ロッカー)やリフレッシュルームなどの福利厚生施設も、自社の従業員と同等の施設設備の提供が求められます。

また職場環境だけでなく、派遣社員が正当な待遇を受けられるよう、派遣元の求めに応じて自社社員の待遇情報や、派遣社員の業務遂行状況などを提供する必要があります。

派遣社員の待遇はコラム「派遣法改正後の派遣サービスをどう利用する?同一労働同一賃金を踏まえて解説」をご参照ください。

ハラスメント・苦情窓口

派遣先には、自ら雇用する労働者と同様、派遣労働者についても職場におけるセクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント、パワーハラスメント、障がい者に対するハラスメントなどの防止を図る事が義務づけられています。

対応方法


苦情処理の体制(受付者、対処者)を構築し、就業開始した派遣社員に予め説明をしておく必要があります。実際に派遣社員から苦情の申し出あった場合は、速やかに解決を図り、派遣元に報告する必要があります。

注意しなければならないのは、苦情を申し入れた派遣社員に対して、「業務量を増やす」や「契約終了する」など派遣社員の不利益になる取り扱いは禁止されています。

ハラスメントにあたるかどうか微妙な問題であっても、派遣社員が気兼ねなく相談できる体制づくりが必要です。

【資料ダウンロード】はじめての派遣スタッフ受け入れガイド <初級編>

はじめての派遣スタッフ受け入れガイド

01. 人材派遣サービスの仕組み
02. 派遣スタッフを受け入れするまでに
03. 派遣契約の締結
04. 派遣先に求められる基本的な労働法知識
05. 派遣スタッフ受け入れにあたってのコツ
06. Q&A

 

派遣先管理台帳について

派遣法により「派遣先管理台帳の作成」が定められています。続いては、派遣先管理台帳の概要と記載内容について確認していきましょう。

派遣先管理台帳とは?

適正な派遣就業の確保と契約の適切な履行を促すために、派遣法第42条第2項において、以下のように定められています。

「派遣先は、厚生労働省令で定めるところにより、派遣就業に関し、派遣先管理台帳を作成し、当該台帳に派遣労働者ごとに次に掲げる事項を記載しなければならない。」

派遣先が「派遣社員の稼働した日」や「その労働時間」といった就業の実態を確実に把握すると同時に、派遣元と内容を共有することで適切な雇用管理が行われます。

派遣先管理台帳の記載事項

派遣先管理台帳に記載すべき事項は、以下の通りです。

  • 派遣労働者の氏名
  • 派遣元事業主の名称・事業所名・所在地
  • 労使協定派遣社員であるか否か
  • 「無期雇用派遣社員」か「有期雇用派遣社員」か
  • 就業状況(就業日、就業日毎の就業時間・休憩時間)
  • 派遣社員が従事した業務の種類・責任の程度
  • 派遣就業した事業所の名称・就業場所・組織単位
  • 派遣社員から申し出があった苦情の状況
  • 紹介予定派遣に関する事項
  • 教育訓練を行った日時・内容
  • 派遣元責任者名・派遣先責任者名
  • 派遣受入期間の制限を受けない業務について行う労働者派遣に関する事項(該当する場合に記載)
  • 労働、社会保険の被保険者資格取得届の有無
  • その他厚生労働省令で定める事項

派遣先は、それぞれの派遣社員について個別に派遣先管理台帳を作成し、これを派遣終了後3年間保存しなければなりません。派遣元に対しては、月に1回以上、管理台帳の内容を通知します。通知方法は、派遣社員ごとにFAX、メール、書面で行います。また、派遣元から上記の開示請求があった場合は、速やかに実施する必要があります。

派遣管理方法の注意点

派遣先企業には派遣契約で締結した内容を遵守し、派遣社員が安全かつ健康的に働けるよう次のようなことが求められます。

  • 就業条件の周知徹底
    関係者に就業時間、就業曜日、就業場所、業務内容などの就業条件や派遣契約内容を予め周知しておく。
  • 就業場所の巡回
    派遣社員の就業の状況が派遣契約に違反していないか、職場環境が適切かどうか定期的に確認をし、必要に応じて改善をし、また派遣元に報告をする。
  • 就業状況の報告
    派遣先責任者は指揮命令者から派遣社員の就業状況などの報告を求め、派遣契約に反してないかなど確認し、必要に応じて改善をし、また派遣元に報告をする。
  • 派遣契約内容の遵守
    派遣先責任者は指揮命令者に対し、派遣契約の内容と異なる業務を指示をしないように適宜指導をする。

まとめ:派遣先企業としての義務を確認しておくことが重要

派遣管理のポイントは、指示命令、業務環境および派遣社員の健康の保全、契約の適切な履行です。派遣先管理台帳は、派遣社員の業務遂行状態を正しく管理し、派遣元と情報共有するために作成されます。派遣サービスの活用は利便性が高く、企業ニーズを満たしてくれますが、同時に派遣先としての管理責任を伴うことを念頭におかなければなりません。法令を遵守し、派遣元や派遣社員とのトラブルが生じないようにするためには、派遣先企業としてなすべき義務をしっかりと確認しておくことが重要です。

参考:
派遣労働者を受け入れる派遣先として留意すべき点について|大阪労働局
派遣労働者を受け入れるに当たって|東京都労働相談情報センター
派遣労働者の安全衛生対策について|厚生労働省
派遣先にも、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、労働施策総合推進法が適用されます(PDF)|厚生労働省

 

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04. まとめ・お役立ちリンク集
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